防災緑地の研究の第一人者である愛媛大学院の二神透准教授は、
ゴルフ場の開発による人災の危険性を指摘。
黒岩県知事に開発中止の意見書を提出してくださいました。
広域避難場所としての「茅ヶ崎ゴルフ場」についての意見書
1995年の阪神淡路大震災より、日本は地震の活動期に入っています。
今後、南関東直下地震、南海トラフ巨大地震などの発生が指摘されており、大きな揺れ対策と、地震火災対策が喫緊の課題となっています。
特に,地震に伴う火災が発生した場合、風向・風速などの気象条件によっては、多くの犠牲者を出すことになります.
関東大震災では,陸軍被服廠跡で3万8015人が亡くなっています。
茅ヶ崎は日本でも有数の木密地帯であり,同時多発地震火災が発生すれば、避難するしか助かる方法はありません。
私自身、昨年の11月に現地を訪れましたが、茅ヶ崎ゴルフ場は、周囲に樹木が植栽されており、地震火災の輻射熱を十分に遮蔽できる安全な広域避難場所だと思います。
この地域が開発され、樹木が伐採されれば、安全な避難場所を失うことになります。
政治家の責務は、住民の安全・安心を守ることだと思います。
私自身も防災の専門家として、安全なまちづくり、住民の命を守るための情報システムの開発と、リスク・コミュニケーションを実践しています。
これまでの災害の歴史を振り返ったとき、一番に感じることは、開発を優先し、まちに安全な空間が無くなってしまうことです。
昨年度の広島の土砂災害もそうですが、開発許可をだした行政による人災だと思います。
未来を見据えた安全な空間を残して、住民の生命を守るために、広域避難場所としての保存をお願い申し上げます。
以上,都市防災計画専門家として意見書を提出する。
平成27年1月31日
神奈川県知事 黒岩 祐治 殿
愛媛大学防災情報研究センター 准教授 二神 透