みどりから受ける恩恵もはかり知れない
大手デベロッパー各社にあてて「広域避難場所を守る会」から、
住民の声を届ける手紙が送られました。
今、ゴルフ場開発案で何が問題になっているのか?
何が住民生命をおびやかしているのか?
この点についても分かりやすい内容になっています。
住民の方々も、ぜひ、ご一読く ださい。
安全面積 2㎡、12万㎡の広域避難場所を必ず守る
拝啓、貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
私は、茅ヶ崎ゴルフ場の利活用に関して、市民の安全に必要な広域避難場所を守る会の代表を務めるものです。
20万㎡の広さのゴルフ場の地権者である神奈川県と茅ヶ崎協同(株)が、近日中に事業者受付を開始する茅ヶ崎ゴルフ場閉鎖後の跡地利活用は、貴社のような大手デベロッパーしか応募が可能でないと考えています。
不躾とは思いますが、2万4千人が広域避難場所を守る署名をした住民の真の声を直接お伝えしたいと考え、お手紙を書かせていただきました。
貴社がもし応募を予定される場合は、以下について是非ご承知おきくださるようお願い申し上げます。ご質問あれば折り返し回答させて頂きます。
なお、下記の情報は、おおむね情報公開請求によって茅ヶ崎市から入手した「市、県、茅ヶ崎協同(株)三者の会議録」に基づくものです。
ご希望あれば写しを送付致しますので、その旨ご連絡ください。
私たちは、茅ヶ崎ゴルフ場の1人あたり安全面積 2㎡、12万㎡の面積の広域避難場所を、必ず守る固い決意を抱いています。
県は、住民の安全を守るために自ら設定した、一人あたりの安全基準 2㎡を1㎡に引き下げ、ゴルフ場の広域避難場所面積を6万㎡に抑えようとしていますが、断固反対します。
《参考》県が住民の危険を承知のうえで、広域避難場所を6万㎡に縮小せざるをえない事情
① 県有地12万㎡すべてを広域避難場所に提供すると、県財政再建のために貸付け料の増収をはかるゴルフ場の土地利活用計画の目的を達成することが出来ない。
② 近隣地域に広域避難場所を確保できる場所はなく、ゴルフ場内に確保するしか方法がない。
③ ゴルフ場全体の面積の残り8万㎡では事業採算が取れず、事業者の応募が期待できない。
6万㎡にした場合の危険は、これまでの科学的な情報や、情報にもとづく一般常識から予見は可能。
住民の安全より利益を追求する利活用計画を立案し、計画の実施に協力し、実施する関係者すべてに責任が生ずると考えます。
《参考》 責任の根拠
① 県が1㎡を安全面積と立証する根拠はなく、検証する予定もない。
② 311福島原発事故の原因についての各種調査委員会の報告。
最大の原因は、東電および関係機関がいまだ起きたことのない「不確かな危険」「未知の危険」であっても、事前に想定すべきであった地震・津波などの危険を、原発推進より優先させずに「想定外」としたこと。
③ 当該報告を受けて、国会事故調査委員会の「危惧感説」に立った見解。
事故の原因は明らかで、関連した歴代の政府、規制当局、東京電力による「人命と社会を守る」という責任感の欠如があったと断定。
(参考:古本元晴・船山泰範 福島原発は裁かれないでいいの)
④ 生命の基本的人権を保障する「憲法13条」に違反する。
6万㎡の広域避難場所は、極めて危険であると容易に予見できます。
① 防災緑地の研究の第一人者である愛媛大学院の二神透准教授は、ゴルフ場の開発による人災の危険性を指摘して、黒岩県知事に開発中止の意見書を提出している。
chigasakigj-news.hatenablog.jp
② 人口約6万人を抱えるゴルフ場周辺地域は、戸建て木造住宅が密集した狭隘道路の県下最大のクラスター(地震火災による延焼運命共同体)。
今後30年間に5%の確率で発生が予想される、大正型関東大震災クラスの震度7以上の大地震が起きれば、県の被害予想調査から同時多発火災が発生し、クラスター内の建物が全焼すると予見できる。
③ 一人当たり1㎡は6畳間に10人詰め込むことに相当する。
ここにペット、手荷物、車いすなどが加わり、自由な移動は困難な状況。
地震火災により生じる火災旋風や輻射熱が迫ってくれば、300m離れなければならないが、このような状況下では、逃げ遅れて犠牲になる避難者は必ず出てくる。
募集要綱に関して、県と市とのあいだに基本的な考えの相違があります。
① 県は市に対して一人当たりの安全面積を1㎡に引き下げるよう要求しているが、市は県が安全基準を変更しなければ変更できないと拒否しており、調整はついていない。
募集要綱では建設可能する大規模住宅や商業施設について、用途変更を決定する市は不要としている。
② 県は、ゴルフ場跡地に設ける4万㎡の公園用地を市に有償で貸し付けまたは譲渡した上で公園管理を要求しているが、市は無償提供を条件に公園管理を行うと主張し、合意に達していない。
敬具
平成28年5月16日
市民活動団体 広域避難場所を守る会