2016年 茅ヶ崎ゴルフ場の現状と問題点 

「みどりと命の住民会議」のメンバーがまとめた資料です。

*茅ヶ崎ゴルフ場の現状
*茅ヶ崎ゴルフ場を取り巻く問題点
*茅ヶ崎ゴルフ場存続を願う市民活動 

以上の3部からまとめています。 

1. 茅ヶ崎ゴルフ場の現状

所在地:茅ヶ崎市菱沼海岸6991-16他

敷地面積:19万9183m²
(神奈川県:11万9596m²、茅ヶ崎協同(株):7万5674m²、茅ヶ崎市:3913m²)

用途地域:第一種低層住居専用地域
(建ぺい率50%、容積率100%、最高高さ10m)


茅ヶ崎ゴルフ場は、豊富な緑を蓄えた市民憩いの場所
そして6万人の「広域避難場所 」 

*茅ヶ崎ゴルフ場周辺の住宅は、県内最大規模のクラスター火災(延焼運命共同体)地域。

*北側の浜須賀小学校と合わせて、約8万8千人が収容可能な広域避難場所。 
*津波浸水想定図では、当該地のほとんどが浸水区域と想定。
*飛砂防備保安林に隣接しており、茅ヶ崎市公共下水道幹線が埋没。


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手前のみどりが茅ヶ崎ゴルフ場。
このスペースを失えば、火災延焼時の逃げ場がないのは一目瞭然!!


半世紀の歴史を経て、経営困難に陥り暫定運営中、開発の危機

1957年:茅ヶ崎市営ゴルフ場として開場(神奈川県より借地)

1967年:茅ヶ崎市が運営から撤退し、観光日本(株)に経営を委託。

1994年:県が固定資産税の大幅引き上げ 土地貸付料の段階的引き上げ 2000年代に入って経営破綻の予兆出現

2003年:観光日本(株) の経営再建への協力(貸付料据え置き)。

2009年:観光日本(株)が茅ヶ崎市へ経営支援要請 → 市街化区域並み課税の緩和 → 市は道路占有料の免除、県と茅ヶ崎共同の土地賃料の増額据え置き

2012年:県の地代値上げ(2倍)要請 (注1を参照)

2013年:市街化調整区域への変更は不可能等の理由で、経営負担解消されず

2014年:観光日本(株) 経営継続困難との判断で、土地所有者及び会員にゴルフ場閉鎖 (2015.3末)を通知。

*「茅ヶ崎ゴルフ場の存続を図る会」発足。署名運動開始。

*「広域避難場所を守る会」発足。県に陳情。

2015年
茅ヶ崎ゴルフ場の利活用基本方針素案(県・市・茅ヶ崎協同)説明会
「茅ヶ崎ゴルフ場の利活用基本方針素案」に対するパブリックコメント(市・県)

*「ちがさき市民オンブズマン」発足

2016年
5月:「茅ヶ崎ゴルフ場の利活用基本方針」を元に事業者提案応募受付(県)
6月:住民組織の合議体として「みどりと命を守る住民会議」発足  
8月:優先交渉権者の決定
9月:基本協定の締結、実施計画の策定


注1 賃料の要請
県(60%地権者)現賃料 約9100万 → 2億
茅ヶ崎共同(株) 現賃料 約7600万 → 県に準ずる
茅ヶ崎市(道路) 道路占有料 約360万全額免除
茅ヶ崎市の収入 交付金 約6300万+固定資産税・ゴルフ利用税など 1億3000万


茅ヶ崎ゴルフ場を存続する会、広域避難場所を守る会、PPK など住民が「みどりと命を守る住民会議」が運動中。 

2. 茅ヶ崎ゴルフ場を取り巻く問題点

防災・減災の観点から

★茅ヶ崎市は、県内最大規模のクラスター火災(延焼運命共同体)地域。

★いちばん深刻な被害は火災。
→ 浜須賀地区2590棟、松浪地区10671棟 が焼失 

★茅ヶ崎ゴルフ場は、浜須賀小学校と合せて8万8090人の「広域避難場所」。

広域避難場所・・・火災の熱から逃げる場所。延焼・熱・煙から命を守る、オープンスペースが必須
避難所(小中学校)・・・災害の危険性がなくなった後で避難生活を送る場所。


現状では、一人当たり2.9m²の広域避難地が確保されているが、今回の開発で一人当たり1m² まで減らされる可能性が大きい。

ゴルフ場北側の緑の開発により、津波に対する防波堤の役割が薄れる。
住宅地内まで波が押し寄せることが予測される。


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緑のスペースが6万人の広域避難場所「茅ヶ崎ゴルフ場」
(2015/5/6、国土地理院撮影)


★開発により8万8千人の広域避難場所が消滅の危険!

★近隣住民の安全確保が欠落! 

★大規模災害時、学校のグランドだけでは防災にならない! 


環境・自然機能の観点から

*ゴルフ場の緑は、生物多様性の核であり、ヒートアイランドの抑制に資するものである。

*ゴルフ場開設から半世紀となり、地域の魅力の源泉になっている。
→ ゴルフ場は国道134号線沿いの湘南海岸の原風景であり、箱根駅伝時には茅ヶ崎の良好なイメージを発信している象徴的な場所。

★商業施設、住宅施設の建設により、緑が極端に減少し、飛砂防備及び防火林の役割が失われる。


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この緑が失われると、住民環境は激変する

地域住民の観点から

商業施設、大規模住宅等は地域に不要!

かつ道幅の狭い周辺では交通渋滞を引き起こし、防犯上、防災上からも問題多し。

自然との触れ合いの場が、著しくなくなる。


★開発により道路が通り交通量が増大、静かな環境の破棄に繋がる。地域住民には不利益!

★市が公募したパブリックコメントは形式的に行っただけで、市民の意見は反映されない。

ほぼ同時に、茅ヶ崎公園の複合施設、柳島スポーツ公園、道の駅の建設ラッシュ! 鉄砲道の交通量はパンクする。

ゴルフ場利活用(事業者提案)に係わる問題点

1 県と茅ヶ崎共同と市の基本的考え方に違いがある

県:財政再建のために開発優先
協同:公共性は考慮せず
市:住民の安全優先

3者の意見調整をせずに、見切り発車をしている。


★県と茅ヶ崎共同(株)は、開発前提で事業者と事業用の定期借地権設定契約を締結。住宅部分は譲渡して収入増を狙う。
市は(市長・副市長を除き)市民の安全確保が第一優先。


2 広域避難場所の面積

県:一人当たり1m²(国の基準は2m²)を市に押し付け。
応募の必須事項には「6万人分の避難空間として6万m²以上を確保」、とあり12万m²は必須条件になっていない。


3 公園管理

県:管理は市が行い、用地の有償貸付または売却。
市:管理の条件は、用地の無償が条件。


4 都市計画上の問題

*都市計画の決定は、議会の議決による基本構想や方針に基づき、市が原案を作成して「都市計画審議会」に諮り、決定者は市長。

*「都市計画審議会」委員は茅ヶ崎市住民に限らないので、地域のことを理解していない委員もいる。

*事業者の事業提案に関して、神奈川県の財産経営課は、市の企画経営課とだけ協議しており、茅ヶ崎市庁舎内で他部署に相談がなされていない。

*地域地区(用途地域)とは、土地利用規制を表し、建築基準法による用途地域の基準を作成する。


★事業者が開発するには、地域地区の「用途地域変更」が必要
→ ゴルフ場は第一種低層住居専用地域であり、制約が多く事業者の利益にならない。
→ 事業者は市に対して、大規模施設が開発可能な「用途地域の変更申請」を必ずするだろう。


★都市計画審議会は、地域住民の声を聞くだろうか?
用途地域変更不可の裁定は困難。
現段階では、県から市に何の相談もないので、ゴルフ場に係わる都市計画には未着手だが。


■ 地権者である県は様々な問題に関して、応募した事業者の中から選定した優先交渉権者に 面倒な課題を一つずつ解決に当たらせ、開発を強引に進めようとしている。

■ 地域住民の安心、安全確保に必須な「広域避難場所」と「みどり」が消滅の瀬戸際。


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次世代に「命とみどり」を残すために

3. 茅ヶ崎ゴルフ場の存続を願う市民活動

茅ヶ崎ゴルフ場の存続を図る会

2014年、観光日本(株)がゴルフ場運営から撤退を表明。
2014年5月、「茅ヶ崎ゴルフ場存続を図る会」が署名運動開始。

《署名の趣旨》
*地域に開かれたゴルフ場としてだけではなく、広域避難場所に指定されている。

*東海道線以南には、約12万人住んでおり、茅ヶ崎市は3つの広域避難場所で約11万人分を確保したとしているが、このうち約8万8000人をゴルフ場が収容。

*市の公園面積は県下で非常に低く、ゴルフ場が維持している松林や動植物は市及び県の資産(住民の資産)と言える。

*貴重な緑の資源を守るため、市民の命を守る「広域避難場所」を維持するため署名のお願い!
 
最終的には、保存署名数は2万筆を超えた。 


広域避難場所を守る会

(株)武蔵野が2015〜16年、ゴルフ場の暫定運営に決まる。

2015年3月、茅ヶ崎ゴルフ場を次世代に緑の広域避難場所として残すことを目的に「広域避難場所を守る会」が発足。

★アンケート調査実施(回収435件)

「これからの茅ヶ崎ゴルフ場の利活用について」

《アンケート実施の理由》

*ゴルフ場の面積は約20万m²で、これだけの土地の使い方が変わると、周囲の住環境、資産価値にも影響。
*多くが公有地にもかかわらず、利活用の提案の事業者に限られ住民不在。
*住民の意思を反映した利活用を、地権者と事業者に提案したい。


★シンポジウム、イベント開催して緑の保全、ゴルフ場の魅力を発信。

★大手デベロッパーに、広域避難場所を守る2万4千人の声を伝える。 

*私たちは、茅ケ崎ゴルフ場跡地の一人当たり安全面積2m²、計12万m²の面積の広域避難所を必ず守る固い決意を抱いています。

*6万m²に減らした場合の危険は、これまでの科学的な情報や、情報に基づく一般常識から予見は可能です。
住民の安全より利益を追求する開発計画を立案し、計画の実施に協力し、実施する関係者すべてに責任が生じると考えます。 

*募集要項に関して、県と市との間に基本的な考えの相違があります。 

ちがさき市民オンブズマン発足

みどりと命を守る住民会議

住民組織の合議体として発足。

会則、活動内容を定めて運動中。

当面の行動計画
① 国・県・市議会議員に公開質問状を送る(開発、反対の意見とその理由)弁護士に相談中

②ママさんと一緒に広域避難場所を回る  

③日本プロゴルフツアー機構専務理事など訪問し、ゴルフ業界の賛同を獲得  

④住民投票による「条例制定直接請求」検討中

⑤防災の観点から周辺自治会に茅ヶ崎ゴルフ場の現状を説明

⑥都市計画審議会委員へのロビイング

⑦ゴルフ場有効活用の諸施策 実施中

*夕方からのゴルフ場の芝生開放イベント
*ゴルフ場で七夕
*芝生でヨガ教室
*女子プロによるジュニア・スナッグゴルフ
*ジュニア・プレーヤーのレッスン
*茅ヶ崎花火大会の駐輪場にスペースを開放
*Night festival  マルシェの出店  
*慶応大学SFCとジョイントで学生コンペ などなど

⑧最後の手段、住民訴訟の準備

以上