東急・電通、計画から撤退 茅ヶ崎ゴルフ場

平成28年10月21日、午後2:30に、

「優先交渉権者として選定されていた東急電鉄・電通グループから辞退届が提出された」という、県の記者発表がありました。

「広域避難場所の確保」も大きな問題になっていた事業提案ですが、奇しくも記者発表の20分ほど前に、鳥取中部地震 M6.6 (震度6弱)の被害地震が発生しました。

今年4月には熊本地震が発生し、大地震の続く最中の事業提案となっています。

また、9月23日に優先交渉権者である電通の不正取引のニュース、10月には電通の高橋まつりさんの過労死について東京労働局が抜き打ち調査にはいり、厚生労働省の立ち入り調査も行われました。


1 辞退の理由

 優先交渉権者選定通知受領後、募集要項に定められた期限内での基本協定締結に向けて、鋭意検討・協議を行ってきたが、基本協定締結に要する諸条件の整理に、まだなお相当の時間を要すると判断したため。

2 今後について

 事業者の再募集を行います。

 なお、再募集の時期や募集要項など今後の取組については、茅ヶ崎協同株式会社や茅ヶ崎市と調整の上、改めて発表いたします。


★県HP 優先交渉権者の辞退(平成28年10月21日)
茅ヶ崎ゴルフ場の利活用 - 神奈川県ホームページ


県の記者発表については、新聞各紙が10月22日付けで報じています。

朝日:東急・電通、計画から撤退

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「茅ヶ崎のゴルフ場跡地開発 東急・電通、計画から撤退」

東急電鉄広報部は「土地の権利関係や借地契約の条件整理に時間がかかり、基本協定締結の期限に間に合わないため」としている。県によると、優先交渉権者選定から2ヶ月後の今月14日をめどに基本協定を結ぶことになっていた。

現ゴルフ場が大規模火災時の広域避難場所になっていることから、住宅や宿泊施設などを建設する計画をめぐり地元住民団体が「避難場所が足りなくなる」として批判を強めていた。東急電鉄広報部は「辞退は、避難場所の問題とは直接関係ない」としている。(10/22 朝日新聞)

大半の土地を所有する県は「(ゴルフ場を)放置できず、暫定的にゴルフ場を継続するかどうかを含めて、経営会社の意向を聞いて早急に検討したい」としている。(10/22 朝日新聞)


今回は、2月に事業者の募集要綱が発表され、8月の優先交渉権者の選定まで半年かかっています。
県は、事業者の再募集を行うとしていますが、来年3月までに事業者を決めるには間に合わうと思えず、ゴルフ場を放置した場合の防災上の問題も指摘されています。

神奈川:ゴルフ場跡地の開発事業者辞退

「ゴルフ場跡地の開発事業者が辞退 茅ヶ崎」

県によると、今後の利用方針を巡り協議が難航し、期限を過ぎても締結に至らなかったという。

県は、今後、事業者の再募集を行う。ゴルフ場跡地の開発を巡っては、住民から緑地の減少や住宅環境の悪化を理由に、開発撤回を求める声が上がっていた。(10/22 神奈川新聞)

カナロコ(神奈川新聞)
http://www.kanaloco.jp/article/207344

毎日:茅ヶ崎ゴルフ場優先交渉権辞退

「茅ヶ崎ゴルフ場優先交渉権辞退 東急・電通グループ」

辞退理由には、ゴルフ場が県と市、民間の所有地に分かれ、賃貸借を中心に一部売却も可とする条件もあり、基本協定締結までに時間がかかることが挙げられている。

今年9月に茅ヶ崎市で開かれた2回の住民説明会では、同グループの事業提案に住民の批判が集中した。(10/22 毎日新聞)

読売:「茅ヶ崎ゴルフ」跡地利用 難航

「茅ヶ崎ゴルフ跡地利用 難航 2社グループから事業辞退届」

2社グループは、宿泊・温泉施設などを整備する開発計画案を示していたが、土地の貸し付け条件などを巡り、事業推進に時間を要すると判断したという。跡地利用の計画は白紙に戻り、県などは再度、事業者を募集する。

今月中旬までに基本協定を結ぶ予定だったが、地権者2者の間で貸し付け条件などに関する意向が異なり、2社グループから辞退の申し出があったという。

ゴルフ場は従来、災害時の広域避難場所で、跡地開発については、一部住民から不安の声も出ていた。


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