茅ヶ崎ゴルフ場利活用 オンブズマンから市長へ質問状

市長は「県に聞いてほしい」

平成28年9月6日、10日の住民への説明会には、市長、副市長ともに姿は見せませんでした。

服部市長は、サーフィンSUP大会の開会式に出席しても、説明会で住民の声を聞こうという姿勢はないようでした。

説明会は優先交渉事業者が決まったことの報告に終わりました。具体的な説明をもとめても、ブラックボックスのままで、説明責任とほど遠い。 

説明会の終了後に「ちがさき市民オンブズマン」から、茅ヶ崎市の企画部長あてに、説明責任を求めて質問書が送られました。 

その回答が送られてきました。

結論から言えば、具体的な質問には何一つ答えることはなく、県に聞いてほしい、何ら市としての説明を果たすものは含まれていませんでした。  

回答書は企画部長からですが、イコール市長からの回答でもあります。

白紙撤回をもとめる圧倒的な住民の声とは、かけはなれています。

また「茅ヶ崎ゴルフ場利活用の基本方針」は、監査委員から違法と判定をうけた有識者会議によって作られています。この会議は「市長が作成した違法な会議」であることを付け加えておきます。

市からの回答書

平成28年9月26日 
茅ヶ崎市民オンブズマン代表幹事 様

茅ヶ崎市企画部長 秋元 一正

茅ヶ崎ゴルフ場利活用事業説明会について 回答


先日御意見のありました標記の件につきまして次のとおり回答いたします。

茅ヶ崎ゴルフ場の利活用については、広域避難場所の機能や緑の確保などについて土地所有者である神奈川県等に要請してまいりました。

また、当該地の利活用が本市のまちづくりに大きな影響を及ぼすことにご理解をいただき、平成27年11月には、「茅ヶ崎ゴ ルフ場利活用の基本方針」を神奈川県、茅ヶ崎協同株式会社とともに策定し考え方を共有しております。

この基本方針を受けて実施された優先交渉権者の募集は、土地を所有する神奈川県と茅ヶ崎協同株式会社により実施され、事業者募集に係る要項では、本市の要望を考慮し住宅と商業施設について、一定規模以上の整備については減点評価とすることとされております。

今回選定された提案は、その範囲内での提案であるものと考えています。

また、優先交渉権者の選定についても、事業者募集を行った二者により実施したものです。

優先交渉権者の選定にあたっては、選定評価委員会における各意見を参考にしており、 茅ヶ崎市から選定評価委員として、私自身が参画しておりますが、あくまでも市の立場での評価・意見をさせていただいております。

公表された選定理由については、優先交渉権者の選定についての考え方であることから、選定の主体である神奈川県にお問い合わせください。

説明会については、「茅ヶ崎ゴルフ場利活用の基本方針」が確実に実施されることを見届ける市の立場として、神奈川県による記者発表を受けて、その事実を速やかに市民の皆様へ説明いただくよう神奈川県に依頼し、市の主催で実施したものです。

今回の説明会では、9月6日と10日の内容が同一であることを事前に周知させていただいており、公平性の観点からも同一の内容として実施いたしました。

今回は、優先交渉権者を選定したことについて行政から直接ご説明させたいただき、地域の皆様のご質問やご意見を伺う機会を設けたものです。

周辺環境への影響と対策については、想定される課題等について事業者及び土地所有者としっかりと協議し、一定の対応策などのご説明ができる段階で意見交換等を実施したいと考えております。

また、広域避難場所の考え方や公共施設の管理等については、今後の協議の中で市の意向をしっかりと伝えてまいります。

最後に、茅ヶ崎協同株式会社については民間事業者ではあるものの、同社の所有地だけでなく、神奈川県の所有地と一体的に土地の利活用を図ることで地域課題の解決を目指していると伺っており、本市のまちづくりの一助として貢献いいただけるものと認識しています。

しかし、具体的な考え方については、市からご説明できるものはありません。

(事務担当 企画経営課企画経営担当)


ちがさき市民オンブズマンからの質問書

説明会の会場でも配られた資料(県の記者発表)のなかに、東京急行電鉄・電通グループが選定された理由が書かれています。

特に「選定理由」や「評価委員の意見」については、住民説明会でも、多くの質問が住民から出ました。 

(2) 選定理由 
1 広域避難場所や津波避難場所の機能確保の根拠や考え方がしっかりしている
2 湘南地域の活性化など利活用基本方針の実現が期待される提案である

選定を評価した委員
(2)主な意見  
・まちづくりの視点が感じられる。
・30メートル幅の緑地を確保するなど、広域避難場所の確保や周辺地域への配慮・調和が考慮されている。 
・住宅ゾーンの中の公園は、閉鎖的にならないか懸念がある。   
 
★県のHP 優先交渉権者の選定について
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/life/1074931_3654765_misc.pdf


質問 1.「広域避難場所の機能確保の根拠や考え方がしっかりしている」について

1-1.具体的な判断材料は何か?

1-2.草木がうっそうと生い茂っている砂防林は、特に低い津波でも立ち入り禁止であり、交通量の多い国道 134 号線を渡らなければならない。

海岸側の砂防林を広域避難場所として認めた理由は何か?

1-3.国道 134 号線を挟んで北側、海岸側、事業区域内のゾーン毎の広域避難場所の面積と避難者の収容数は?

1-4.選定委員会が、優先交渉権事業者の提案した広域避難場所面積と避難者収容数を、安全とした判断根拠は何か?

1-5.住宅ゾーンが30m 緑地を挟んで市街地に近接していることは、県下最大のクラスターを更に拡大することになる。市は開発のためにやむを得ないとして、これを認めるのか?

1-6.市は、現在の安全基準は昭和46年に設定したものであるので、現状に見合う安全基準を見直し緩和する意向だが、昭和46年当時は空き地や松の樹林も多く、住宅も密集していないため避難場所も豊富にあり、現在に比べて市民は火災の危険 から格段に安全であった。

安全基準は緩和ではなく、さらに厳しく見直す必要がある。


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質問 2.「湘南地域の活性化など利活用方針の実現が期待される提案である」について

2-1.「具体的な判断材料は何か?

2-2.利活用方針には活性化だけではなく、「延焼火災からの避難場所としての公園等の確保」と「湘南の松林や海浜と調和し、ゆとりを生み出すみどりの空間・保全」がある。

破壊されるみどりの面積は、茅ケ崎ゴルフ場の20ha に対して何 ha か?

伐採される砂防林の松は何本か?

2-3. 茅ケ崎ゴルフ場はみどりの基本計画で「湘南海岸地区保全配慮地区」に指定されている。また県と市は「なぎさ緑化域」に指定している。

選考委員会は利活用で残されたみどりが、「湘南海岸保全配慮地区」や「なぎさ緑化域」にふさわしい面積であると判断したのか?

判断したのであれば、その判断根拠は何か?

2-4. 市は茅ケ崎ゴルフ場利活用に大規模住宅は好ましくないとの考えを示してきた。
イメージ図によれば、住宅地はゾーン地区最大であり、おそらく300戸近い大規模な住宅建設が、クラスターの市街地に近い場所に予定されている。

危険、かつ、学校、 保育園などのインフラ整備も必要となる。市は従来の考え方を変更して、これを認めるのか?

2-4. 宿泊施設が計画されているが、過去の例にあったように、海岸に隣接したホテルが採算をとるのは難しい。
経営破たんで撤退すれば、土地の活用変更は「やむを得ない理由」があるとして認められる可能性が強い。

選考委員会が撤退は長期的にもなく、「湘南地域の活性化」に寄与すると判断した根拠は何か?

2-5.市の考えは大規模な商業施設は周辺の環境にふさわしくないとして反対の考えを示してきた。
イメージ図からは商業施設の規模は不明だが、立地的に他の商業施設との競合は避けられない。近くには辻堂駅近くや平塚の日産車体跡地のショッピ ングモール、建設中のハマミーナのショッピングセンターなどがある。

競争に破れて経営がなり立たなければ撤退し、土地利用の変更が「やむを得ない理由」 により認められる。

選考委員会が撤退は長期的にもなく「湘南地区の活性化」に 寄与すると判断した根拠を示してほしい。

質問 3.「主な意見」について

3-1.「まちづくりの視点が感じられる」は何を判断材料にしているのか?

3-2.周辺地域への配慮・調和が考慮されている30メートル幅の緑地の大部分は、事業者が求められている敷地面積25%の緑地ではないのか?この緑地の維持管理は事業者が行うのか?

3-3. 事業者提案の交通渋滞、騒音対策、排ガス、防災対策を示してほしい。

3-4. 砂防林を広域避難場所として認めることが、何故周辺住民に配慮したことになるのか?

3-5.住宅ゾーンの中に市が管理する4万m²の公園を設置するようなイメージ図となっている。
市が費用を負担して維持管理する4万m²の公園は、住宅ゾーンの公園とは別であり、広域避難場所6万m²の中の一部として設置する従来の考え方と異なる。

市民には使い勝手が悪い、住宅ゾーンの住民に配慮した公園が、何故周辺住民を配慮したことになるのか?

維持管理費と地代を市が負担するのか?
いったい、市が負担する費用は、公園の地代も含めて総額いくらになるのか?

質問 4.「説明会」について

4-1.9月6日、10日の説明会のチラシには、説明会の目的に「提案選考の考え方」が示されていたが、結局は『事業者が決まったことの報告』に変更され、参加者の期待を裏 切ることになった。

事業者を決定したのであれば、事業提案が与える周辺住民の生活への影響とその対策を示さなければ説明会とはならない。10 日には同じ混乱状態とならないよう、用意周到に準備をしてほしい。

4-2.説明会における業者選考者でない市の立場を示してほしい。

4-3.業者選考は地権者が行うのであるから、県だけではなく茅ヶ崎共同も出席して周辺住民の質問に答えてもらいたい。

民間企業が公益性を無視して利益のみを追求するのは、CSR が欠如し好ましくはないが、規模の小さい企業ではやむを得ない面もある。しかし、浜須賀地区の住民の生活環境の向上を目指すまちじから協議会の会長の立場にありながら、所有地をあえて木造密集地帯近くの住宅ゾーンに提供して、クラスターを拡大して、周辺住民の生命の危険にさらすことに対し、会長としてどのように考えているのか知りたい。

4-4.説明会で示された「これからの予定」では、事業者との基本協定の締結は9月中とわずか1か月にも満たない短期間である。

これは県や市の説明責任を放棄し、周辺住民の理解を求める姿勢に著しく欠けている。

この事業提案が認められれば、都市計画の決定や、用途地域の変更、必要に応じて道路の拡張、国道 134 号線に通じる道路の建設と砂防林の伐採、信号設置、防音、防災対策など、市民に理解を求めることが多い。

しかし、周辺住民の反発は大きく、混乱は避けられない。周辺住民が納得できる誠意ある対応を求める。

以上