広域避難場所がなくなってもよいですか?

航空写真から見た茅ヶ崎市。

海岸に近いみどり色、唯一残された広いスペース、ここが「茅ヶ崎ゴルフ場」 。

もし、このスペースを失っても、わたしたち住民は大火災から命を守れるのでしょうか?

たった今、このスペース が開発されようとしています。

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(2015/5/6、国土地理院撮影)

市民意見の多さが異例だった パブリックコメント

2015年8月、「茅ヶ崎ゴルフ場利活用基本方針素案」、つまり県・市・茅ヶ崎共同がこういう開発をしたいと考えている案について、市民の意見がパブリックコメントとして募集されました。

集まった意見は271件、この多さは過去に例がないです。 

271件の意見のうち、「茅ヶ崎ゴルフ場の存続」を求める意見が110件。

基本方針や素案、それ自体の過程がすでにおかしいとする意見、
市や県・茅ヶ崎共同への不信感、
素案の撤回を求める声、
透明性がないことへの不安、

市民の声を真剣に聞く気がないことへの怒り、
行政のご都合主義への指摘、
ゴルフ場存続署名2万への軽視、

開発主導のコンセプト自体がおかしい、
広域避難場所としての開発への否定、
とにかく開発を望まない、緑を残してほしい、
緑が豊かな茅ヶ崎を返してほしい、

意見交換会での説明自体がすでにおかしい、 
資料データを出した十分な説明を求める、などで80件以上。


市長へのインタビュー

パブリックコメントに先立ち2015年(平成27年)2月に、市長と広域避難場所を守る会とのQ&A インタビューが行われました。

平成27年2月16日
服部信明・茅ヶ崎市長 と 広域避難場所を守る会
                                 
<市の全員協議会資料への疑問>

広域:ゴルフ場利活用の話が出てから、市の一貫した受け答えは「柔らかい段階から市民の意見を聞きそれを参考として市・県・地権者で決める」でした。
他の場面での茅ヶ崎市民の質問に対しても、「市民の意見を十分聞き取り考える」との意向でした。

しかし、いきなり1月に業者に限ったアイデア提案募集、4~5月に提案内容の協議・利活用の方向性の決定 ・・・ 柔らかい段階とはどこの段階でしょうか? 
そして何時、どこで、市民の意見を広く聞いたのでしょうか?

市長:「県が1月に業者に限った提案を募集したが、市は市民の意見を聞く機会をどんなかたちで、何時やるかを、現在話しあっているところ。」
「色々な会(広域避難所を守る会・自治会・存続会など)が今まで色々な意見を市に提案しに来ているので、そこも踏まえている 」
(・・・ と市長は苦しい言い訳。)

「4月末までには市民もアイデアがあれば、山崎部長に持って行ってください。」
「5月の応募締切前に市民との話し合いを持ちたいと考えている。市民の意見を持って3者会談をしたい。」(これは絶対に約束しますとのこと。)
「今後の想定スケジュールは県が考え出したもので、このとおりに行くわけがない。」
「現地視察会は県がやったもので、市民の皆さまが考えるようなものではない」 

〈4~5月の提案内容の協議と利活用の方向性の決定について〉

広域:この協議と決定に市民は参加する権利があるのでは?

県の土地は市民のものでもあります。茅ヶ崎市民全員が市長を選んだ訳ではありません。このところ行政の一番悪いところが、目に余るようになっているのは事実です。ものを壊して新しく作り、茅ヶ崎のみどりを根絶やしにした市長と言われてもよいのですか?

茅ヶ崎にしかない素晴らしい景観を保護し、次世代に残すための利活用を提案して、住民と一体になって行政をして頂きたい。これが市長に対する住民の切なる願いです。後世に茅ヶ崎を壊した市長となるか、住民と共に茅ヶ崎を守った市長になるか、本当の分かれ道と市民は見ていることを、強く認識して頂きたいとも考えています。

市長は今後40〜50年を見据えた利活用を考えていると言ってますが、しかし、たった50年程度の利活用の為に、この広大なみどりを切り崩すのですか? 
どんな立派なコンクリート建築でも50年が限度です。みどりは何百年たってもみどりで、どれだけの人を助け安心させ続けるか、良く考えて下さい。南側に最後に残された広大なみどりは絶対に手放してはいけない、何世代も後の人に残してゆくべき、それが私達の義務です。

(市長は返答に詰まる。)

市長:私も首長です、市が止めなくてはいけないのが売却で、絶対反対する。

広域:市にそんな力があるのですか? 今までは県が一番強い立場だとおしゃっていましたが? 

市長:それは茅ヶ崎住人が協力して反対すれば、県も簡単には出来ない。 

広域:都市計画・用途変更の変更など、簡単には出来ないと明言していたのでは?「市街化調整区域にしたらどうか」という意見に対し、市は「とんでもない、地権者がいるから簡単には出来ない」と断言していたのに、なぜ今回はいとも簡単にすべての変更を許可するのですか?

これだとなんでも建てられるということでは? 「開発に際して、都市計画の見直しや用途変更はあるが時間がかかるはず。」これは答えになっていないと思います。


<小学3年生が議員に手渡した手紙>

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広域:小学3年生が議員に手渡した手紙、子どものシンプルな意見こそが南側茅ヶ崎住民の声で、これを真摯に受けとめて活かす、それが行政のやるべき姿ではないでしょうか?

南側と北側とでは住人に必要なものは違います、しかし互いの安全を望み、互いの財産を守るべく共助しあうまちづくり、それを提案するのが市長の役目と考えます。まちづくりは行政と土建屋が進めるものではなく、住民の声と行政が協力して完成するものと考えます。

住民の声を行政に反映させるのが市長では・・・?

茅ヶ崎南側にぜったい必要な「緑の広域避難場所」を1平方メートルたりとも失くしてはならないのです。

先日、服部市長の同級生の方とお話をしました。服部君が「僕は将来市長になる」と言っていて、本当に立候補したときは皆で応援したのにどうしたのかしら・・・と。私どもも行政にはガッカリさせられ信頼することが出来ません。ウソは言わないが本当のことも言わない、選挙前と後は手のひら返すでは、市・県民と行政の間に信頼など生まれるわけがありません。

市長:茅ヶ崎市民はそう思っていますか? 

広:はい50%以上はそう思っているとおもいますが。

市長:・・・信頼を回復するよう頑張らなくてはいけませんね・・・

広:市長が住民のことを最優先に考えて下さるなら私達は応援いたします。

市長:わかりました・・・宜しくお願いいたします。


黒岩県知事への質問書

平成27年2月2日
神奈川県知事 黒岩裕治 殿            
広域避難場所の必要性と利活用について

                      
「広域避難場所を守る会」は、ゴルフ場の近隣住人から発足し、今日までクラスター地域における防災樹木の必要性と住民の安全性について、現状の危険性を検証してまいりました。

市・県の防災はもとより、愛媛大学二神透准教授のご協力で、茅ヶ崎南側の火災延焼シュミレーションを作成頂き、ゴルフ場で市・県・学校・自治会・住民の方々への講演も行って頂きました。これまで学んだ防災知識から考えても、今回の市・県の選択は地域住民に不安と恐怖を与えるものです。

1<クラスター火災の恐ろしさを正しく認識しておられますか>

南側の市民約12万人に指定されている広域避難場所のなかで、現ゴルフ場は輻射熱から身を守りながら約8万人が収容可能です。この広さの半分が開発されれば、火災旋風からの逃げまどいは4万人近くなるのです。この事実をどうお考えになるのですか?別紙、二神准教授のゴルフ場開発に対する意見書をご参考下さい。

2<緑の維持>

南側に残された唯一無二の広大な緑地は、塩害・強風・ヒートアイランド現象から住民を守るもので、ゴルフ場の存在は多大な恩恵を私達に与えているのです。58年に渡り大切に守ってきた緑も、開発されれば緑被率10%を切ることになります。上記すべての恩恵を失い、津波被害想定の見直しも必須となり、大火災のリスクに8万人以上の住人が晒され、不安の中で暮らすことを強いられます。

3<用途変更の不可>

09年に中野区で広域難場所確保のための行政訴訟が起こされました。

裁判で意見書を提出した都市防災学・村上元早稲田大学教授は「大火災時の火流は周辺環境と違う所を狙って流れ込んでくる。周辺の中低層住宅と違い、高層ビルの再開発地は、火を誘い込む可能性が高い。しかも周りには木造住宅密集地域、同時多発的に火災が起き延焼面積が約2千平方メートルを超えると、一気に火災旋風になる可能性が高い。関東大震災時の陸軍被服廠跡と酷似している。」と述べています。

現在ゴルフ場地域は第1種低層地域になっていますが、用途変更で高層ビルが建つと広域避難場所を取り上げられただけでなく、より一層の危険を住民に押し付けることになります。

4<4月からのゴルフ場の環境維持>

神奈川県民として今の環境を突然4月で取り上げられるなどは、考えられない行政の暴挙です。少なくとも現在の広域避難場所の代替地の確認と住民の了承を得るまでは、現状を維持するのが行政としての責任ではないでしょうか。

ゴルフ場閉鎖後は、防犯上フェンスで仕切られ広域避難場所としても使えない、では余りに酷過ぎるのではないでしょうか。

これまで市・県が行ってきた減免措置は一企業に対してではなく、茅ヶ崎市南側8万人の神奈川県納税者に対しての特別事情(クラスター)を考慮したうえで、市・県の責任を遂行していたと認識しております。事業者が誰になろうがクラスター地域の改善がみられない限り、広域避難場所は必要なものと考えます。災害は予測出来ません、事が起こった時は自然災害ではなく人災であると住人達は既に認識しており、それをここで確認させて頂きます。

黒岩知事には、ご自身がここ茅ヶ崎にお住みになっていると考えて頂き、住民との合意ある話し合いと利活用の道を一緒に探して頂きたいと考えておりますので宜しくお願い致します。
                                    

広域避難場所を守る会の提案 <未病を治すかながわ宣言活動>

現在ゴルフ場では市民の皆様からの要望で、ノルディックウオーキング・グリーンヨガなどのアクティビティにコースを利用しており、好評を得ています。整備されたゴルフ場の中を歩くことや、芝に寝ころぶヨガなどは大変気持ちの良いものです。ゴルフ場の整備があることが大切です。強行な開発で自然も信頼もすべて失くすのではなく、県民のための広域避難場所の設備を拡張し、次世代ゴルフパークとしての活用が考えられるのではないでしょうか。

かながわシープロジェクトで、「地域住民との融合なくして活性化はあり得ない」とお話になっていた記憶があります。まさに住民の意見もお聞きください。

昔のパシフィックホテル・ゴルフ場は、周囲の美しい景観と知識人の集まる独特の雰囲気がありました。海をテーマの絵画や彫刻のギャラリーを周辺につくり、アメリカモントレーのカーメル・バイ・ザ・シーのような松林とゴルフ場の自然を活かした知性ある開発、を黒岩知事にはして頂きたいと考えます。土建事業先行の神奈川県茅ヶ崎ではなく、人の想いを活かす湘南茅ヶ崎であるべきです。話し合いの場を頂きたいと考えております。


市長への茅ヶ崎ゴルフ場存続願い


平成26年11月14日                      
茅ヶ崎市長 服部信明 様
広域避難場所を守る会
緑の広域避難場所・茅ヶ崎ゴルフ場存続願い 

<県からの要請>
10月17日、神奈川県財産経営課小島課長を訪ねたところ、茅ヶ崎ゴルフ場継続に関して、市からの書面による正式要請を受けていないとのことを言われました。30日に茅ヶ崎市の山崎部長が県に出向かれ、口頭にて「市はゴルフ場継続を全面推奨する」とお伝え下さったようですが、依然として正式書面を受けていないとのことを伝え聞きます。

市はすでに6月、県からの「ゴルフ場跡地利用の要望の有・無」の書面を受け、今後は3者での相談を希望するとの返答を書面で出しています。この時点で県が21年の減免願いは無効と考えてもおかしくなく、であれば市は茅ヶ崎共同と協議したうえで、県に新たな減免措置願いを出す行動に移していただけないでしょうか?

私たち茅ヶ崎市民が今感じるのは、率直に言わせていただければ「県と市が住民の命と財産を守るべく協議・協力しているのだろうか?」という疑問です・・・これは、今後の重要な問題となってくると思われます。

少なくとも市の意見が住民の意見と認識している県に対して、市がもっと強固な意志表示をして頂ければと願う次第です。

<湘南ジュニアゴルフアカデミー>
オリンピックを夢見て励んでいる子供達と父兄からの陳情書を託されました。

<愛媛大学情報研究センター二神透准教授の講演>
茅ヶ崎のクラスター地域とゴルフ場の場所をGoogleで見て下さり、ゴルフ場が無くなったら大変なことになるね!・・・から講演を行えるところまで来ました。茅ヶ崎に住んでいない方々のほうが、事の重大性に敏感なのかも知れません。

ぜひ市長もお話を聞きにいらして下さい。茅ヶ崎市長として住民の安全と財産を守ることに日夜励んでおられると思います。新しい感性の住人たちの意見にも耳を傾ける大切さに目を向けて頂ければ、新しい場が開けるのでは?と考えます。

どうぞ市民の声を受け止めて頂けますようお願い致します。